公害と施設の概要
立教大学共生社会研究センターでは、1960年代以降、日本・海外で展開したさまざまな市民活動の多様な記録を保存・整理・公開しています。公害資料館ネットワーク参加館の所蔵資料と共通した特徴を持つもののひとつとして、千葉川鉄公害裁判の記録があります。
第二次大戦後、千葉市を含む千葉県の東京湾沿岸部は次々と埋め立てられ、京葉工業地帯の造成が進められます。1950年に千葉市が川崎製鉄を誘致したことで、他の市町村にも企業が進出し、千葉県はめざましい発展を遂げることになります。
しかし急速な工業化は弊害をもたらします。川崎製鉄の周辺(現在の千葉市中央区の沿岸部)に住む住民に健康被害が見られながらも、1975年に当時の千葉市長は六号高炉建設を許可しました。これが端緒となり、健康被害の訴えとともに「あおぞら裁判」がはじまりました。
原告は、差止め原告125名(一審判決時)と60名の患者原告らで構成されており、患者原告らは喘息や気管支炎などに苦しめられていました。その様子は、証言や記録から切々と伝わってきます。原告団長自身も症状に見舞われながらも、大気汚染簡易測定法をもちいた測定を地元高校生と共におこなったり、汚染の様子をあらゆる方法で記録したりと奔走していたことが資料からうかがえます。
裁判は1988年に原告の勝訴となりましたが控訴審に持ち込まれ、1992年に双方の和解というかたちで幕を閉じました。
このほかにも、国内外の公害発生地域に足を運び、数多くの運動をささえた宇井純氏(1932-2006年)の資料群や、伊方や浜岡などの原子力発電所に関する資料群、さらには国内外の公害・環境問題に関するミニコミなど、市民の活動が生み出した記録を幅広く所蔵しています。
この資料館だからこそ学べる特徴について
・ 所蔵資料はどなたでもご利用いただけます。
・ 環境や公害に関連する講演会などのイベントも随時開催しています。
・ 資料に関するどんなご相談にも応じますので、お気軽にお問い合わせください。他館への紹介も可能です。
所蔵資料
千葉川鉄公害裁判記録(弁護団長の高橋勲弁護士より寄贈)。その他、水俣病など様々な公害運動に関わった宇井純氏の個人資料、全国各地の火力発電所・原子力発電所に対する反対運動や訴訟の記録も利用可能。
海外対応
英語対応可能。
資料館の基本情報
館名 | 立教大学 共生社会研究センター |
開館日または営業時間 | 月曜日~金曜日 10:00~12:00、13:00~16:00 ※ 原則として事前予約要 |
休館日 | 土曜日、日曜日、祝日、年末年始、 その他立教大学の一斉休業日 |
住所 | 〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1メーザーライブラリー記念館新館 中2階 〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1メーザーライブラリー記念館新館 中2階 |
電話番号 | 03-3985-4457 |
FAX | 03-3985-4458 |
メールアドレス | kyousei@rikkyo.ac.jp |
ウェブサイトやFacebook などのリンク | HP www.rikkyo.ac.jp/research/institute/rcccs/ |