資料館の概要
1.水俣病事件重要資料4500点
2.公害関係図書2300冊
3.原発関係図書3000冊・福島原発関係雑誌約1500冊
4.化学工業図書1100冊
5.新左翼・全共闘関係資料3300点
現代日本の技術と社会関係図書・資料を収集・公開。蔵書約2万5千冊。団体著作物中心。開架。主として研究者・マスコミ・教育者向けに広く情報サービスを提供。
立教大学共生社会研究センターでは、1960年代以降、日本・海外で展開したさまざまな市民活動の多様な記録を保存・整理・公開しています。公害資料館ネットワーク参加館の所蔵資料と共通した特徴を持つもののひとつとして、千葉川鉄公害裁判の記録があります。
第二次大戦後、千葉市を含む千葉県の東京湾沿岸部は次々と埋め立てられ、京葉工業地帯の造成が進められます。1950年に千葉市が川崎製鉄を誘致したことで、他の市町村にも企業が進出し、千葉県はめざましい発展を遂げることになります。
しかし急速な工業化は弊害をもたらします。川崎製鉄の周辺(現在の千葉市中央区の沿岸部)に住む住民に健康被害が見られながらも、1975年に当時の千葉市長は六号高炉建設を許可しました。これが端緒となり、健康被害の訴えとともに「あおぞら裁判」がはじまりました。
原告は、差止め原告125名(一審判決時)と60名の患者原告らで構成されており、患者原告らは喘息や気管支炎などに苦しめられていました。その様子は、証言や記録から切々と伝わってきます。原告団長自身も症状に見舞われながらも、大気汚染簡易測定法をもちいた測定を地元高校生と共におこなったり、汚染の様子をあらゆる方法で記録したりと奔走していたことが資料からうかがえます。
裁判は1988年に原告の勝訴となりましたが控訴審に持ち込まれ、1992年に双方の和解というかたちで幕を閉じました。
このほかにも、国内外の公害発生地域に足を運び、数多くの運動をささえた宇井純氏(1932-2006年)の資料群や、伊方や浜岡などの原子力発電所に関する資料群、さらには国内外の公害・環境問題に関するミニコミなど、市民の活動が生み出した記録を幅広く所蔵しています。
・ 所蔵資料はどなたでもご利用いただけます。
・ 環境や公害に関連する講演会などのイベントも随時開催しています。
・ 資料に関するどんなご相談にも応じますので、お気軽にお問い合わせください。他館への紹介も可能です。
環境分野の多くの資料は、個人の研究者・環境運動の参加者、住民運動団体等に所蔵されています。それらは環境問題にかかわる歴史的経験の貴重な記録であり、その保存は積極的な社会的意義があります。しかし今日、研究者や活動家の引退、住民運動団体等の解散にともない、貴重な環境問題・政策・運動に関する資(史)料が処分、あるいは散逸する恐れが生じています。環境アーカイブズは、そのような散逸の危機にある資料の整理や保存を通じて、環境問題に関する歴史的記憶の共有を目指しています。
これまでに環境アーカイブズに寄贈された資料は約850箱で、2011年12月から順次公開を開始しました。所蔵する資料は、大きく分けると①薬害関係、②環境保護・開発反対関係、③反原発運動関係、④市民活動一般に関するものになります。運動団体の一次資料、研究者が収集した映像資料など、多様な形態の記録をあつかっています。ビラや集会ポスターなどの被害者団体が作成した文書記録、地域密着型のミニコミ、日本や世界の祭りを映した映像や自然保護活動のスライドなどを公開しています。とくに映像資料は、保存と利用のためにデジタル媒体の用意もあり、視聴可能な70本程度の映像資料は学術研究目的で利用に供しています。
・環境問題や市民活動等、環境アーカイブズが所蔵する資料は多岐にわたっており、加えて一次資料、図書、映像といった様々な媒体の資料を保存していますので、調べたいテーマについて、多様な側面からの分析ができます。
・大学に所属する組織なので、学部等での授業利用を積極的に推進しています。環境問題等に関する原資料の活用は、より臨場感をもって、学生にそのテーマを伝えることができるはずです。環境アーカイブズはその手助けをしたいと考えています。