施設の概要
当館は熊本大学ならびに熊本地域に関する学術的研究資料の管理を行うことを目的として、2016年4月に設置されました。2023年4月1日付けで、「歴史資料等保有施設」として内閣総理大臣の指定を受けています。
当館では、「水俣病」に関する資料を公開しています。「水俣病」は、チッソ水俣工場のアセトアルデヒド製造工程中で副生されたメチル水銀化合物を含む廃水により生じたメチル水銀中毒です。工場廃水は「魚(いお)湧く海」と呼ばれる豊かな漁場であった水俣湾と不知火海(八代海)を汚染し、メチル水銀が蓄積した魚介類を食した地域住民に健康被害を与えました。広域に渡る被害の全容が明らかにされない中、認定義務付けや国・県・原因企業に賠償を求める訴訟が複数係争中です。
当館では、映像や音声を含む資料の保存・公開と未来につながる利活用の促進に取り組んでいますが、チッソ水俣工場の廃水により生じたメチル水銀中毒に関する資料の整理と読解および公開には、分野横断的な知識と経験が必要とされるように感じています。よって、学術的な専門家と市民が協働して成果をあげてきた「水俣病研究会」の活動も参考にしながら、資料寄贈者や学内外の複数の関係者と連携し、アーカイビングにおける課題の解決に臨んでいます。
この資料館だからこそ学べる特徴
当館ウェブサイトで目録公開中の所蔵資料の閲覧・撮影複写・貸出し、および所蔵資料に関するレファレンスと企画展示を行っています。メチル水銀中毒事件の概観を知ることはもちろん、詳細な事件史研究に資する資料を提供しています(公害の被害者/患者・行政・市民団体・支援者の活動の記録・岡本達明資料 等)。公開資料はどなたもご利用できますが、所定の手続きがございますのでまずはご連絡ください。
※ 熊本大学史、熊本地域、免田事件、ハンセン病に関する資料も取り扱っています。
展示
常設展はなく、年に1回企画展(オンライン展含む)を行っています。
所蔵資料
水俣病研究会資料(順次公開中)、岡本達明資料(順次公開中)、衞藤光明資料(公開中)、甲斐文朗資料(公開中)、熊本大学大学院生命科学研究部細胞病理学分野資料(公開中)丸山定巳資料(公開中)、チッソ水俣病関西訴訟関係資料(公開準備中)、徳臣晴比古資料(公開中)、新日本窒素水俣工場新労働組合関係ビラ資料(公開準備中)
学校連携
大学講義との連携、熊本大学学生ワークスタディの受け入れ
貸し出し用展示
資料貸出しあり
海外対応
ウェブサイトの一部英語対応
関連出版物・教材
『〈水俣病〉Y氏裁決放置事件資料集―メチル水銀中毒事件における救済の再考にむけて』有馬澄雄責任編集, 2020, 弦書房.
資料館の基本情報
館名 | 熊本大学文書館 |
開館日または営業時間 | 月〜金10:00~16:30(申込時間 10:00~12:00 / 13:00~16:00) |
休館日 | 土・日・祝日、年末年始、夏季一斉休業日 |
住所 | 〒860-8555 熊本県熊本市中央区黒髪2丁目39-1 〒860-8555 熊本県熊本市中央区黒髪2丁目39-1 |
電話番号 | 096-342-3951 |
FAX | 096-342-3952 |
メールアドレス | archives@jimu.kumamoto-u.ac.jp |
ウェブサイトやFacebook などのリンク | HP archives.kumamoto-u.ac.jp/ |