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NPO法人 足尾鉱毒事件田中正造記念館鉱毒

所在地:〒374-0037 群馬県館林市大手町6-50 この施設の基本情報

公害の概要

足尾銅山は栃木県西部、渡良瀬川の最上流部に位置する日光市足尾町にあります。この足尾銅山による「足尾鉱毒事件」は、明治中期以降に発生した日本最初の公害です。採掘技術の近代化および大規模化を図り、やがて日本の産銅量の40%を算出する日本一の大銅山となりました。しかし足尾銅山の銅採掘は、足尾鉱毒事件と呼ばれる大きな公害問題を引き起こしてしまいました。
それは昔の渡良瀬川は水がきれいで、地域によっては薬水と呼ばれるほど清流でした。そこには豊富な魚類が生息すると同時に、農作物の収量が多く流域は豊かな自然の恩恵を受けていました。このような自然環境に恵まれていた渡良瀬川流域住民を苦しめる鉱毒事件となったのです。
第一は、銅精錬、その他工場稼働に必要な燃料として足尾の山の乱伐が行れると共に、製錬所から毎日排出される煙に含まれている亜硫酸ガスにより林野の枯死ではげ山となってしまいました。この結果、渡良瀬川の水源地である足尾の山々は保水能力が失われ下流域の大洪水の原因となると同時に洪水のたびに鉱毒被害が拡大しました。
第二は黄銅鉱を採掘した坑道から湧き出る硫酸銅等を含む有毒な地下水が渡良瀬川に放出されたことです。また選鉱、精錬過程で生じる大量の廃石等が渡良瀬川に投棄されたことにより、渡良瀬川の水や土には、硫酸、鉛、亜鉛、砒素、銅、カドミウム等が含有され、鉱毒となり、そこに生息していた魚類が絶滅し農耕地を荒廃させてしまいました。これに抗議する農民らが損害賠償や足尾銅山の鉱業停止を要求する大衆運動を起こした足尾鉱毒事件となったのです。

この資料館だからこそ学べる特徴

当館の最も大きな目的であり使命は、鉱毒事件の概要や田中正造・鉱毒被害民の闘いの歴史等を伝え理解していただき、広く普及させていくことです。足尾鉱毒事件の被害民を救済するために奔走した政治家、田中正造に関する資料や写真、パネル等が展示されており、係員がわかりやすく説明します。係員は全員がボランティアで小中学生にもわかるような解説で誰もが学べる「学び舎」を目指しています。

展示

館林市街地の中心に敷地210坪、建物48坪に記念館を設置。展示パネル12枚を用いて係員が解説し、一巡すると鉱毒事件の概要が理解できます。また、記念館裏庭に鉱毒事件の全体が一望出来る手作りのジオラマがあり、理解が深まります。
その他、テーマをしぼって調査研究し企画展として開催しています。

所蔵資料

寄贈された書籍類を約1,500点程蔵書しています。これらはリスト化されており、希望があれば閲覧が可能となっています。但し、事前申し込みが必要で館外への持ち出しは不可。

語り部

周辺地域の諸団体や公民館からの依頼に基づき、依頼先に出向き講話を行う出前講座を開催しています。話す内容は館内でのお話と同様になりますが、パワーポイント資料を使用して解説します。

学校連携

教育委員会・行政や公民館と連携し毎年定例化して小学校へ出前講座を行っています。また現地学習ということで鉱毒被害地を案内したり、足尾銅山の荒廃した山への植樹活動に取り組んでいます。研修プログラムは無く、その都度、時間や人数、内容等を調整し開催しています。

研修

研修プログラムとしてはありませんが、それぞれ来館する団体と事前調整し、館内の解説や現地を訪ねるフィールドワークでご案内を行っています。
フィールドワークは田中正造ゆかりの地や足尾銅山の関連史跡を訪ねたり、植樹を行う等が主な内容となっています。

関連出版物・教材

当記念館で主催した講座内容をブックレットとしてまとめたものがあります。
その他、教材ビデオとして
(1)足尾鉱毒事件はいま、 田中正造に学ぶ(高学年~一般向け) 
(2)わたらせ(小学生低学年向け)
田中正造かるた等があります。

資料館の基本情報

館名NPO法人 足尾鉱毒事件田中正造記念館
開館日または営業時間開館日: 火、木、土、日
時間 : 10:00~16:00
休館日月、水、金 年末年始
その他、臨時休館がある場合は、ホームページに案内を掲載
住所〒374-0037 群馬県館林市大手町6-50
〒374-0037 群馬県館林市大手町6-50
電話番号0276-75-8000
FAX0276-75-8013
ウェブサイトやFacebook
などのリンク
〔WEBサイト〕
www.npo-tanakashozo.com/